A棟に急に空きが出たとのことで、鼻歌さんが部屋を替わることになった。はい、じゃあ鼻歌さん、突然だけど今から引越ししますからね~と何の前触れも無く移動が始まる。耳の遠い鼻歌さんが、なあに?なあに?といっている間に、看護婦さんが棚の荷物を出してベッドの上に置き、ベッドごと荷物を運んでいった。残った荷物をまとめて、所在無げな鼻歌さんが続く。鼻歌さんは10日くらい前から、1Fの売店やお庭の散歩を許可されていたので、お部屋があればもっと早くからA棟の人になっていたのかもしれない。
別れを惜しむ間もなく、続けて新しい入居者が個室から移動させられてきた。今度は韓国人の32歳のキレイな女性キムさん。日本を旅行中に結核であることが分かって、1週間前に入院させられてしまったという。日本へは去年2週間来たことがあるだけで、今回が2度目の渡日だったらしく、何もかも分からない様子。でも日本語が少し話せるので、さっそく志村さんの話相手になっている。しかし、旅行中に結核病棟に入院させられてしまうなんて、なんて気の毒な。